タイは、インドの主要な旅行・観光イベントであるSATTE 2025で、インド人旅行者をターゲットにした観光イニシアチブを推進し続けている。具体的には、2025年に4,000万人の外国人旅行者を誘致するという目標を達成するため、タイはさまざまな提案を推進している。オーダーメイドの商品、サービス、戦略的コラボレーションを通じて、タイはインド人旅行者に好まれるデスティネーションとしての地位をさらに高めている。
SATTE 2025における戦略的プレゼンス
2月19日から21日までニューデリーのヤショブーミで開催されるSATTE 2025は、世界的な観光ネットワーク構築のための重要なプラットフォームとして機能する。特に、タイは今年で16回目の参加となり、インド市場に対するタイの献身を物語っている。同国の300平方メートルのパビリオンは、文化展示、ビジネス・ネットワーキング・スペース、旅行アドバイスなどを特徴とする、このイベント最大級のものだ。
タイは、異なる旅行者層をターゲットとした2つの大規模なキャンペーンを開始した。1つ目の「Living it Up in Thailand」は、インドのミレニアル世代の若者に焦点を当てたもの。具体的には、文化体験、アドベンチャー・アクティビティ、タイの有名なナイトライフを強調している。これに呼応して、タイ国政府観光庁(TAT)は旅行サイトのクリア・トリップ(Clear Trip)やアクバー・ホリデーズ(Akbar Holidays)と提携し、より大きな市場にリーチしている。
次に、2つ目の「Celebrations with Care and Inner Shine」は、インド人の結婚式や記念日の旅行者の誘致を目的としている。特にこのキャンペーンでは、タイが結婚式などの豪華なお祝いのための最高のデスティネーションであることをアピールしている。以上がSATTE 2025におけるタイの主な提案である。
インド人入国者数の伸び
ビザ免除や航空便の改善といった戦略的イニシアチブのおかげで、タイではインド人旅行者が急増している。2024年には210万人を超えるインド人がタイを訪れ、2023年比で30.74%の伸びを示した。さらに、この成長はインド人観光客の間でのタイの人気を浮き彫りにしている。
将来を見据え、タイ国政府観光庁は2025年に230万人のインド人旅行者という野心的な目標を掲げている。これを達成するために、タイは家族連れ、高級志向の旅行者、ゴルファー、ウェルネス・ツーリストに焦点を当てている。このような継続的なマーケティング・キャンペーンにより、タイはインド人旅行者の間でその魅力を維持できると期待している。SATTE 2025への参加は、その目標を現実のものとするためのひとつの手段である。
SATTE2025コラボレーションのインパクト
タイがSATTE 2025で成功を収めたのは、プロモーションだけでなく、強力なパートナーシップのおかげでもある。このイベントは、タイとインドの観光ビジネス間のB2Bコラボレーションを促進する。さらに、こうしたパートナーシップにより、インド人のタイへの旅行が長期的に成長することが期待される。
主な目玉は、サービス輸出促進協議会(SEPC)と共同で開催される専門バイヤー・セラー会合「Atithi」だ。このイベントには、インドの旅行業者を含む250人以上の海外バイヤーが集まり、タイでのビジネスチャンスを探る。このようなイニシアチブは、インド市場におけるタイのリーチを拡大する上で重要な役割を果たしている。
ASEANとインドの観光成長
インド人観光客を誘致するためのSATTE 2025への参加など、タイの取り組みは、より広範なASEANとインドの観光協力と一致している。最近、タイはASEAN-インド観光大臣会合に参加し、「ASEAN-インド・フォーラム2025」のようなイニシアチブを提案した。これらの取り組みは、インドと東南アジアの双方向観光を促進することを目的としている。
インドのアウトバウンド観光市場は急速に成長している。特に、2027年までに世界のトップ5に入るという予測もある。さらに、タイはインド人旅行者にとって、オーダーメイドの体験とシームレスな旅行オプションで好みの旅行先として位置づけられ続けている。
写真タイ国政府観光庁